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オルソケラトロジー

オルソケラトロジーとは

オルソケラトロジーとは、特殊デザインの高酸素透過性コンタクトレンズを用いて視力を回復させる治療法です。専用のコンタクトレンズを就寝中に装用し、角膜の形状を矯正します。起床後にレンズを外しても矯正力は持続しており、これにより日中を裸眼で過ごすことが可能になります。
理論・目的の似た治療としては、レーシックがあります。レーシックは、角膜を削ることで近視などを矯正しますが、オルソケラトロジーでは角膜の形状を一時的に矯正することで、視力改善を図ります。角膜が傷つくことはなく、使用を中止すれば元の形状に戻ります。このように、可逆的な治療であることも、オルソケラトロジーの魅力の1つです。

オルソケラトロジーとは

オルソケラトロジーの特徴

日中に眼鏡・コンタクトレンズを装用する必要がない

オルソケラトロジーのレンズは、就寝中のみ装用します。そして日中は、基本的に眼鏡・コンタクトレンズを装用する必要がありません。
※治療開始直後は、夕方に視力が落ち、眼鏡やコンタクトレンズが必要になることがあります。

仕事・スポーツが裸眼でできる

眼鏡やコンタクトレンズが邪魔になる仕事・スポーツに、裸眼で、快適に取り組んでいただけます。

角膜などへのダメージがない可逆的な治療である

レーシックとは異なり、角膜を傷つけることがありません。オルソケラトロジーは、専用レンズの使用を中止することで、角膜が元の状態に戻る、可逆性のある治療です。

子どもの近視進行の抑制効果がある

オルソケラトロジーの継続により、子どもの近視の進行を抑制することが期待できます。

取り扱いが簡単

専用レンズの取り扱いは、一般のハードコンタクトレンズと同じです。ハードコンタクトレンズを使用したことのない方でも、無理なく治療を受けられます。

オルソラケラトロジーの対象年齢は?

オルソケラトロジーは、レンズの取り扱い・着脱がご自身でできることが条件となります。そのため、特に年齢制限はありません。
以前は年齢制限が定められていましたが、2017年に撤廃され、現在に至ります。ただし、20歳以下の方には引き続き慎重に判断し、処方いたします。

子供におすすめの視力矯正「オルソケラトロジー」

子供におすすめの視力矯正「オルソケラトロジー」 オルソケラトロジーは、継続的な使用により、お子さんの近視の進行を抑制する効果が期待できます。
オルソケラトロジーの特殊デザインのレンズの装用によって、眼軸の伸長が抑えられ、近視の進行が抑制されます。
小児期の近視進行予防を目的に開発された、低濃度0.01%、0.025%アトロピン点眼薬と併せてご利用いただくことも可能です。より高い近視抑制の効果が期待できます。

オルソケラトロジーの検査方法

オルソケラトロジーの適応となるかどうかを判断するため、主に以下のような検査を行います。
また、オルソケラトロジーを開始してからも、定期的にご来院いただき、必要な検査を実施します。

検査項目

  • 屈折検査
  • 角膜曲率半径計測
  • 角膜形状解析
  • 視力検査
  • CASIA2アドバンスによる前眼部OCT検査
  • 散瞳下での瞳孔径計測
  • 眼軸長検査
  • 角膜内皮細胞検査
  • 眼底検査

オルソケラトロジーの流れ

1ご予約

ご予約まずはお電話、またはWebからのご予約をお願いします。
ハードコンタクトレンズを使用されている方は、受診日の1週間前から、ハードコンタクトレンズの装用を中止していただく必要があります。

2検査・診察

検査・診察適応となるかどうかを判断するため、各種検査、医師の診察を行います。
ご不明の点がございましたら、何でもお気軽にお尋ねください。

3テスト装用

適応となった場合には、院内で1時間ほど、トライアルレンズを装用していただきます。
※1週間、トライアルレンズをお貸しすることも可能です。

4治療開始

テスト装用の上でオルソケラトロジーをご希望いただける場合には、治療を開始します。

5定期検診

定期検診治療開始日の翌日、1週間後、2週間後、1カ月後、3カ月後、以降は3ヶ月ごとに、検診のためにご来院いただきます。

オルソケラトロジー治療を受ける際の注意事項

オルソケラトロジー治療を受ける際には、以下の点にご注意・ご留意ください。

  • ハードコンタクトレンズを使用されている方は、検査の1週間前より、ハードコンタクトレンズの装用を中止していただく必要があります。
  • 治療を開始してから少しのあいだは、装用時に違和感があります。ほとんどの場合、慣れて問題なく眠れるようになります。
  • 治療を開始してから効果を実感できるまで、数日~数週間ほど時間がかかります。継続して装用していくことで、裸眼で過ごせる時間も長くなります。
  • 暗い場所、夜間には、光を眩しく感じることがあります(ハローグレア)。
  • 一般のハードコンタクトレンズと同様、レンズを正しく管理・装用できない場合には、角膜炎、角膜上皮障害、角膜内皮障害、巨大乳頭結膜炎などの副作用のリスクが高まります。

     

    その他、ご不明の点、心配な点がございましたら、お気軽に医師にお尋ねください。

オルソケラトロジーの費用

  費用(税込み)
片眼 71,500円(税込)
両眼 143,000円(税込)
  • 低濃度アトロピン治療との併用が可能です。
  • 上記金額には、オルソケラトロジーのレンズ代金、1ヶ月分の洗浄液・レンズケース等のケア用品の代金、1ヶ月までの定期検査費用を含みます。
  • 1ヶ月以降のケア用品の代金は、別途必要になります。
  • 1ヶ月以降の定期健診費用も、別途必要になります。自費診療で1回税込550円となります(投薬がない場合)。
  • 投薬が必要な場合は、点眼薬の代金も実費となります。
  • 1週間トライアルをする場合、レンズの保証金として一旦55,000円をお預かりさせていただきます。そのままオルソケラトロジー治療に移行する場合には、上記金額の差額分のお支払いをお願います。
  • トライアル後、オルソケラトロジー治療へと移行しない場合は、33,000円をお返しいたします。
  • オルソケラトロジーレンズ紛失時・破損時には、新しいものをご用意いたします。その際のレンズ代金は、1枚で税込33,000円となります。

     

オルソケラトロジーのよくある質問

視力は、すぐに回復するのでしょうか?

若い方で、軽度の近視であれば、約1時間の装用で1.0以上に矯正することが可能です。またそれ以外の方であっても、ほとんどの場合は1週間ほどで十分な視力回復が期待できます。

レンズの取り扱いは、難しくありませんか?

基本的に、一般のハードコンタクトレンズと同じ取り扱い方法で問題ありません。お子さんの場合、慣れるまでは親御さんのサポートが必要です。一般のコンタクトレンズを使用したことがない方も、丁寧に指導いたしますのでご安心ください。

レンズの装用時、痛みはありませんか?

一般のコンタクトレンズと同様、痛みはありませんが、慣れるまで多少の違和感があります。痛みがある場合、違和感が続く場合には、使用を中止し当院にご相談ください。

オルソケラトロジーが向いているのは、どんな人ですか?

まず適応条件として、「6歳以上であり、中等度(-4D程度)までの近視、軽度の乱視」「角膜のカーブの異常、円錐角膜、重度のドライアイ、角膜・結膜疾患がない」というものがあります。この条件を満たした上で、スポーツや仕事などで眼鏡・コンタクトレンズが邪魔になっている方、近視の進行を抑制したいお子さんに特におすすめします。

では反対に、オルソケラトロジーが向かないのは、どんな人でしょうか?

まず妊娠中・授乳中の方、円錐角膜・重度のドライアイ・角膜や結膜の疾患のある方は、適応外となります。その他、レンズの管理や装用が正しくできない方、定期的な受診ができない方にも、オルソケラトロジーはおすすめできません。

オルソケラトロジーの適応になるかどうか、自分で判断することはできますか?

最終的な判断は適応検査・診察の上で行います。ご自身で「向いていないかも」と感じても、ご興味がございましたら、一度ご相談ください。

オルソケラトロジーは乱視にも効果がありますか?

オルソケラトロジーによって軽減可能な乱視度数は、その人の近視度数の約半分と言われています。近視度数が「-4.0D」である人の場合、乱視度数は「-2.0D」程度まで改善が見込めるということになります。ただし、度数・角膜の状態によっては、効果が得られにくいこともございます。適応検査で判断いたしますので、まずは一度ご相談ください。